腰痛

筋肉に疲労物質が蓄積している
個人の代謝能を超える筋活動を行うと、代謝産物が血流によって灌漑されないまま残ってしまい、それが血管や神経終末を刺激し、筋線維が収縮したままの状態をもたらし重だるさを感じさせる。これが慢性化すると筋線維の弛緩が行われ辛くなり、血管の灌漑能も低下するため筋肉への栄養補給(筋線維は弛緩する際に栄養を必要とする)が行われ辛くなるという負のスパイラルが形成される。カイロプラクティック治療では、筋への血流量を増やす対症療法だけでなく、当該筋の付着部の関節の状態や支配神経の調子を整えながら、代謝能自体の向上を図る治療計画を立てます。

筋肉以外の周辺軟部組織が痛みを発している
靭帯や腱だけでなく、背骨の関節を覆っている関節包、また関節内の緩衝機能をもつ組織などが、急激な外力や慢性的な刺激によって損傷している状態です。
急性・亜急性・慢性という組織の状態によって対応が異なります。
急性期には損傷部位の炎症を広範囲に広げず、治癒期間の短縮を図ることを目的に治療計画を立てます。
亜急性期には治癒後の機能不全を防ぐことを目的に治療計画を立てます。
慢性期には機能障害をきたしてしないかを検査し、痛みを出している部位の疼痛管理を中心に治療計画をたてます。
カイロプラクティック治療においては、慢性的な刺激による損傷の早期治癒や再発防止のために全体バランスの崩れを念入りに検査します。とくに何度も繰り返す腰痛は腰部だけでなく、下肢の関節・筋のバランスが崩れている場合が多く見受けられます。再発防止のために定期的なカイロプラクティック治療と共に自宅での運動療法も必要となります。

骨自体の痛み
胸腰部は外力による椎体骨折が起きやすい部位です。通常の骨折のような鋭い痛みではなく、鈍い痛みを発することがあります。椎体が骨折した際には気がつかないこともあり、「いつまでも消えない嫌な感じ」という表現をされる方もいます。
カイロプラクティック治療によって骨折した骨を元通りに戻すことはできませんが、骨折した分節の知覚領域へ適切な刺激を繰り返したり、骨折によって負担が増加している他の脊椎の力学的機能を向上させたり、周囲の筋肉が必要最小限の緊張を保持するように手技を施すことで、痛みの軽減をもたらす場合もあります。

椎間板に分布している神経が痛みを出している
椎間板の外側の1/3くらいの部分までは、知覚神経が分布しており、内部の髄核が飛び出す(椎間板ヘルニア)以前にも、椎間板線維輪の微小な断裂がその神経を介して疼痛を出す場合があります。カイロプラクティック治療では、1ヶ所に荷重のかかりやすい身体バランスを調整したり、負担を増大させている下肢や骨盤・椎骨の力学的負荷を取り除く手技を施すことで、椎間板からの痛みを無くしたり、椎間板の変性の進行を遅らせたりします。しかし1度亀裂の入った線維を元通りに戻すことはできませんので、痛みが無くなってからも数週間おきの継続治療が必要です。

関節に分布している神経が痛みを出している
椎間関節には知覚神経が多く分布しています。関節の位置を感知する機能に優れた神経が発達しており、姿勢の保持のための情報を送り続けています。動いている時だけでなく、静止時にも働き続けていますが、関節に長期にわたり力学的調和を欠いた負荷(不良姿勢や偏った筋力発揮など)がかかると、受容器の精度が失われ、過剰な情報や誤った関節位置情報を伝達するようになります。誤った神経伝達は侵害受容器(痛みを感じる)を興奮させ、疼痛を感じるようになります。椎間関節は上下2分節の脊髄神経後枝から支配を受けているため、機能の低下した部分だけでなく他の分節にも波及していくことが頻繁に見られます。カイロプラクティック治療では、機能障害を起こしている関節に対して適切な刺激を加え、正しい情報を正しく伝達できるように神経の調整を行います。

神経が圧迫されている
椎間板の髄核が飛び出したり、骨が異常に尖ってきたりして脊髄神経を圧迫し、障害を受けている神経支配領域に痛み、感覚異常、筋力低下を引き起こすことがあります。一般的にヘルニアとして知られる症状ですが、MRI検査で圧迫されている像が見られても症状のない方や、接している程度なのに重度の症状を呈する場合などがあります。カイロプラクティック治療で、飛び出している椎間板を中に戻したり、尖っている骨を無くすことは出来ませんが、過剰に興奮している侵害受容器(痛みを感じる)を沈静化させたり、当該分節への負担軽減を目的とした関節に対して適切な刺激だけでなく、全身を対象とするカイロプラクティック治療によって自律神経のバランスが整い、マクロファージ(不要物質を取り去る細胞)の活性化を促し、通常の保存療法より早期の治癒をもたらす場合があります。

内臓の不調がその部分に痛みを感じさせている
内臓の痛みは「この部分」と限局して感じることは少なく、内臓ではない体の他の部分に痛みとして感じることが多く見られ、関連痛と称されています。これは痛みを伝える細胞体が、隣接している細胞にも興奮をもたらしてしまうことによって引き起こされます。有名なのは腎臓に障害がある場合の腰痛ですが、その他にも骨盤内臓器からの関連痛もあり、原因の明確な内臓自体の障害はカイロプラクティック治療の対象外となります。オレンジカイロプラクティックを始めとする国際基準の教育を受けたカイロプラクターは、医師が担当すべき分野か否かを鑑別する知識を持ち、訓練を受けていますので患者さんの不利益となる治療を行うことはありません。患者さんに御自身の体の状態を知っていただいた上で、内臓からの痛みの緩和や医師の治療を補助する目的において、カイロプラクティック治療が適応である場合がありますが、治療の継続・中断は充分な相談の上でお決めください。

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